【甘すぎ危険】エリート外科医と極上ふたり暮らし
「いいさ、どうせいつかは話そうと思っていたからな」
ポンポンと撫でられると、久しぶりの感覚に照れくさい。
「ところで真澄さん。そのお義兄さんは、愛華総合病院にいないんですか?」
首をすぼめたまま、ふと疑問に感じたことを聞いてみる。
愛華総合病院に愛川という姓は確か、院長と真澄さんだけ。わたしが知らないだけ?とも思ったが、今はほとんどの医師の名前を把握していた。
外科には愛川と名の医師はいない。だったら、どこか他の病院に勤めているのだろうか。
真澄さんの手が頭から離れると、顔を上げた。
「兄貴はもういない」
やっぱりどこか違う病院で働いているんだと、納得しかけたその時。
「三年前、交通事故でこの世を去った」
唐突にそう告げられ、全く予想もしていなかった言葉に息が止まる。
「兄貴はデキのいい外科医で、将来を有望視されていた。次期院長も兄貴だと誰もが思っていたからな。当時は『愛華総合病院は今後どうなってしまうのか』と囁かれたもんだ」
真澄さんはどこを見るわけでもなく、目線を揺らす。