【甘すぎ危険】エリート外科医と極上ふたり暮らし
「何、キスせがんでるとか?」
「バ、バカ言わないでください!」
「ふっ、冗談だ」
いやそれ、冗談に聞こえませんから! 顔だってほらっ、ニヤリとほくそ笑んでるじゃない!
大事な話をしているときだと言うのに、胸がドキドキしてしまう。ほんとに困った人だ。
「彼女は」
「えっ!?」
ぼんやりしていたわたしは、真澄さんの声に過剰な反応をしてしまう。
って今、彼女って言った? 彼女ってまさか……。
とうとう来た──ゴクリと生唾を飲む。
「どこまで聞いてるかわからないが」
そこで言葉を一度切ると、真澄さんは何か思案しているように眉根を寄せた。彼にしては珍しく、言葉を選んでいるようだ。
「婚約者だと紹介された彼女は学生の頃の後輩で、大学病院で医者をしている。クリスマスイブの日に親父から呼び出されて実家に行ったとき、彼女と両親が来ていて困ったよ」
ご両親も来ている前ですっぱり断ることのできなかった真澄さんは、時を見て断りを入れようと思案していたそうだ。でも想定外のことが起きた。
「俺は親同士が勝手に決めた結婚だと思っていたんだが……」
真澄さんは、困ったように顔を歪める。