【甘すぎ危険】エリート外科医と極上ふたり暮らし
「でも彼女は違った。真澄さんのことが好きだったんですね?」
「ああ。そういうことだ」
わからないでもない。わたしが言うのもなんだが、真澄さんは文句のつけようのない容姿淡麗で才知に長けた人だ。もてないはずがない。しかもそれが同業者ならば、なおさらだろう。申し分のない、お互いのためとなる結婚だ。
「どうしたものかと考えていた時に、蘭子が俺の前から消えた」
「消えたって。真澄さんが婚約した、結婚するって聞いたんですよ? 真澄さんの嘘つき騙されたってハートブレイク、失意のどん底ですよ」
あの時のわたしを、真澄さんにも見せたげたい。
「信用ないんだな、俺は」
「タイミングが悪いですよ。クリスマスイブの日から、帰りが遅くなる日が多くなったし」
「それについては反論の余地もない。でも結婚はおろか婚約だって、まだ決定事項じゃなかったんだけどな。勝手な憶測だけが独り歩きして、あることないことあっという間に広まった」
片肘ついた右手で頭を抱え、信じられないとでも言うようにため息を漏らす。
「次期院長でモテる男は、何かと大変ですね」
「お前なぁ、他人事だと思って。全く笑えない冗談だな」