【甘すぎ危険】エリート外科医と極上ふたり暮らし

そう自分に言い聞かせるが、一度混乱してしまった頭はなかなかまともに働いてくれない。。

真澄さんの後ろでひとり、あれやこれやと考えていると、ふいに手を掴まれた。

「行くぞ」
「は、はい!」

いきなりのことに驚いて、必要以上の声量で返事をしてしまった。

「声が大きい」
「すみません」

ロビーで大声出すとか恥ずかしい。穴があったら入りたい──。



館内スタッフに案内されたのは、和室とベッドルームが備えられた和洋室タイプの部屋。ふたりでは申し分のないほどの広々とした部屋の窓からは、ゆっくり流れる川のせせらぎと大自然の眺めが耳と目を楽しませてくれる。

「近くに住んでいたのに、灯台もと暗しというか、こんな素敵な旅館があるなんて知りませんでした」
「そうか。ならよかった」

真澄さんの声がやたら近いことに気づき振り返る──でもそれは途中で遮られ、わたしの首筋の髪を掻き分けた真澄さんがうなじに唇を押し当てた。


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