【甘すぎ危険】エリート外科医と極上ふたり暮らし
欲張りな自分と、悲観的な自分。
ふたつの相反する気持ちがわたしの中で渦巻いて、心が震え涙がこみ上げそうになる。涙を見られたくなくて顔をそらすが、真澄さんの手ですぐに戻されてしまった。
「お前がいなくなってからの一週間。俺が何もしてなかったと思ってるのか?」
「それは……わかりません」
震える唇で言葉を紡ぐ。堪えきれなくなった涙が目尻からこぼれ落ちると、それを真澄さんがそっと指先で掬った。
「状況が何も変わってないのに予約とは言え、好きな女にプロポーズしないだろう、普通」
好きな女──その一言が、わたしの不安な心を優しく包み込んでいく。
「院長と義母には世話になったからな。今すぐにとは言えないが、いずれ院長を継ごうと思っている」
「え? じゃあ……」
真澄さんはやっぱり、彼女と結婚することを選ぶの?
──そんなの嫌っ!!
子供が駄々をこねるように大きく首を振り、押し寄せる悲しみからまぶたを閉じる。瞬間、ポロポロと涙が溢れた。
「バカな奴だな。話は最後まで聞け」
真澄さんは馬乗りをやめ体を横に移すと、わたしを起こして抱きしめる。真澄さんの抱きしめる腕の強さに戸惑いながらも、彼の背中に両腕を回しそれに応えた。