【甘すぎ危険】エリート外科医と極上ふたり暮らし
「やっぱり、そのワンピースでよかったな」
車の運転席に乗り込んだ真澄さんは、助手席に座るわたしを見ると目を柔らかく細めた。
「はい。えっと、似合ってますか?」
「ああ、蘭子のためにあつらえたようだ。緊張してるか?」
真澄さんの左手が伸びてきて、わたしの右頬を包み込む。
「まあ、少しは。でも真澄さんがいるから大丈夫です」
そう、大丈夫──。
今朝から何度もまるで呪文のように、その言葉を何度も繰り返す。そうしてないと落ち着かない。
「そうだな。ふたりとも蘭子が来るのを楽しみにしている。心配することはないもない」
真澄さんは頬を包んだまま顔を寄せると、わたしの唇に優しいキスをしてくれる。
たった数秒、触れるだけのキスなのに、緊張していた気持ちがふわっと軽くなる。
まるで魔法みたい──なんて乙女チックなことを思っていると、駐車場に人の気配を感じた。
真澄さんのキスに酔いしれていたけど、ここ駐車場じゃない!?
慌てて真澄さんから離れ、辺りをキョロキョロと見渡す。
「悪いことをしてるんじゃないんだから、キスぐらい見られたって構わないだろう」
「か、構いますよ! 恥ずかしいじゃないですか」
「そんなものか?」
「そんなものです!」
真澄さんの愛情は、時と場所を選ばない。それは嬉しい反面、困ることもしばしばで。小さくため息を漏らすと、真澄さんの横顔を見つめた。