終わりは始まりか ~私達の場合~
そしてもう一度立ち上がると、麻生くんは真っ直ぐに私を見た。
「佐藤さんに怒られました。すぐにでも美月さんの所に戻って来ようとした俺に、お前に何が出来るんだと。」
陽輝は麻生くんの足にまとわりつく。
「そうなんです。確かに俺は自分の気持ちに正直に動いただけで、何も美月さんにしてあげられないんです。その事に気が付いたんです。」
「そうね。」
私は目に溜めた涙を何とかこらえる。
声にも動揺が出なかっただろうか。
「お前たち…。」
伊吹のそんな声すら、もう耳に届かない。
これで良いんだ。
私達は一緒に居ない方が、お互いの為に良いのだ。
「じゃあ、俺は帰ります。」
麻生くんの静かな声が響く。
「佐藤さんに怒られました。すぐにでも美月さんの所に戻って来ようとした俺に、お前に何が出来るんだと。」
陽輝は麻生くんの足にまとわりつく。
「そうなんです。確かに俺は自分の気持ちに正直に動いただけで、何も美月さんにしてあげられないんです。その事に気が付いたんです。」
「そうね。」
私は目に溜めた涙を何とかこらえる。
声にも動揺が出なかっただろうか。
「お前たち…。」
伊吹のそんな声すら、もう耳に届かない。
これで良いんだ。
私達は一緒に居ない方が、お互いの為に良いのだ。
「じゃあ、俺は帰ります。」
麻生くんの静かな声が響く。