終わりは始まりか ~私達の場合~
「お前が本当にそばに居て欲しいのは耀太なんだろう。どうしてそれを正直に言わない?」

伊吹が私に語り掛ける。

「陽輝はやっぱり耀太の子なんだろう?久しぶりに見たら、陽輝の中にあいつの面影がある。」

私は一生懸命に首を振る。

「美月、お前に俺は騙せない。おばさんの葬式の日に感じた胸騒ぎは本物だったんだな。」

まだ首を振り続ける私を引き離す伊吹。

「本当にこれで良いのか?美月は一生後悔して生きていくのか?」

伊吹は大きな声を出す。

「私が麻生くんのそばに居ると、足を引っ張るだけなの。もう身体を壊してまでそばに居て欲しくないの。」

私も負けずに声を上げる。

「彼の設計者としての未来も壊したくない。それだけの才能もセンスも彼は持ち合わせているんだから、邪魔をしたくない。」

私は伊吹の胸をたたきながら、思いのすべてを吐き出す。

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