終わりは始まりか ~私達の場合~
「私はお父さんに陽輝の父親の事は全く話していないわ。」
私は改めて麻生くんに言った。
「違いますよ。陽輝の名前の漢字を聞いたんです。“耀太・陽輝”って並べると、真ん中に“太陽”があるんですよね。しかもその両端の“耀”も“輝”もかがやくって意味の漢字なんだ。」
私はしまったと目をつぶる。
「それを名付けた人の名前が“美月”なんて、出来過ぎた話だと思いませんか?」
「あっ。」
伊吹が思わず声を上げた。
「誰にも気が付かれないように名付けたつもりだったのに…。」
陽輝にせめて父親と母親である私とのつながりを持たせようと思って付けた名前。
太陽と月…、そんな接点を見つけてつけた私の精一杯の命名。
「俺達は感性が似ているって言ったでしょう。俺が美月さんの考えた事に気が付かないとでも思っていましたか?」
少し得意そうな顔をする麻生くん。
私は改めて麻生くんに言った。
「違いますよ。陽輝の名前の漢字を聞いたんです。“耀太・陽輝”って並べると、真ん中に“太陽”があるんですよね。しかもその両端の“耀”も“輝”もかがやくって意味の漢字なんだ。」
私はしまったと目をつぶる。
「それを名付けた人の名前が“美月”なんて、出来過ぎた話だと思いませんか?」
「あっ。」
伊吹が思わず声を上げた。
「誰にも気が付かれないように名付けたつもりだったのに…。」
陽輝にせめて父親と母親である私とのつながりを持たせようと思って付けた名前。
太陽と月…、そんな接点を見つけてつけた私の精一杯の命名。
「俺達は感性が似ているって言ったでしょう。俺が美月さんの考えた事に気が付かないとでも思っていましたか?」
少し得意そうな顔をする麻生くん。