終わりは始まりか ~私達の場合~
「そんなに深い意味があったのか。俺は気が付かなかった。」
伊吹が目を丸くして驚いている。
「しかも陽輝は左利きではないですか?」
麻生くんはそう言ったけれど、私は首をかしげる。
「まだ分からないんだけど…。」
私は正直に言った。
麻生くんがいつものように左手を出すと、確かに陽輝は自分の左手を出した。
「俺に陽輝が差し出す手はいつも左手なんですよ。それにも気が付いていました。」
そして麻生くんは真顔になった。
「周りに父親が俺だって明かさないのは、俺では父親として役不足だと美月さんが感じているのではないかとずっと悩んでいました。だからそれを追求することも出来なくて…。」
麻生くんは頭を掻く。
「まさか俺の将来を考えての事だったなんて、思ってもみませんでした。」
麻生くんは私を見つめた。
伊吹が目を丸くして驚いている。
「しかも陽輝は左利きではないですか?」
麻生くんはそう言ったけれど、私は首をかしげる。
「まだ分からないんだけど…。」
私は正直に言った。
麻生くんがいつものように左手を出すと、確かに陽輝は自分の左手を出した。
「俺に陽輝が差し出す手はいつも左手なんですよ。それにも気が付いていました。」
そして麻生くんは真顔になった。
「周りに父親が俺だって明かさないのは、俺では父親として役不足だと美月さんが感じているのではないかとずっと悩んでいました。だからそれを追求することも出来なくて…。」
麻生くんは頭を掻く。
「まさか俺の将来を考えての事だったなんて、思ってもみませんでした。」
麻生くんは私を見つめた。