終わりは始まりか ~私達の場合~
「美月さんがそういう人だって分かっていたつもりだったんですけどね。でも自分の事だと分からなくなってしまうようです。」

すると伊吹が笑った。

「美月の愛は耀太の考えている以上だったって事だな。それを言わせた俺もなかなかだっただろう。」

ぬけぬけとこんな事をいう伊吹に私達は顔を見合わせる。

「何となくこうなる事はあの日から…、おばさんの葬式の日から分かっていたんだけどな。早まらなくて良かったのかもしれない。」

伊吹が結婚にこだわったのはこのせいなのかもしれない。

「親父さんとおばさんがお前たちを二度も再会させたんだ。その意味を考えてみるんだな。」

ああ…。

「伊吹さん、陽輝をお願いして良いですか?」

麻生くんが私の腕を掴む。

「ああ、分かった。ゆっくり話してこい。俺が陽輝を寝かせつけておくから。」

伊吹が楽しそうに陽輝を抱き上げた。

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