終わりは始まりか ~私達の場合~
時間がまだ早いから、両親は家の方だろう。

ぐるりと裏に回って、玄関を入る。

「ただいま。」

私のそんな声に、バタバタと出て来てくれたのはお母さん。

やっぱり少し痩せたような気がする。

「どう?体調の方は。」

ついそんな言葉が先に出て来てしまった。

「少し疲れやすいけど、大丈夫よ。」

そう言って笑うお母さんの表情に、私は気持ちがホッとする。

「お帰り。」

奥の方からお父さんの声が聞こえた。

「お父さんも美月が帰って来るのをすごく楽しみにしていたのよ。」

私はお母さんに促されて、靴を脱ぐ。

リビングに入ると、どっかりとお父さんはソファに座っていた。

< 27 / 181 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop