終わりは始まりか ~私達の場合~
「麻生くん、出来上がっていたの?」

「はい、だから美月さんの作業を見せてもらおうとして…。」

私はその時の様子を思い出して、ハッとする。

それにしても仕事が早い。

「若いのになかなか見込みがありそうだな。」

仕事に関してはうるさいお父さんがこんな事を言うなんて意外だ。

「お~い、美月。居るか?」

事務所の入口から、聞き慣れた声が聞こえた。

「おはよう、伊吹。」

私が反射的に返事を返しながら、伊吹を招き入れる。

伊吹は陽輝を見つけると、抱き上げようとした。

一瞬表情を強張らせる陽輝。

そして伊吹に抱き上げられて、陽輝はイヤイヤをする。

「親父さん、おはよう。…お前、もしかしてここに泊まったのか?」

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