Mirror Ball
今までの業績を認められ、眞智子は晴れて正社員として登用される。それを機に、彼女は新宿店へ異動に成った。
新宿へ異動したからって、何が変わる訳でも無かった。業務内容も、殆ど変化は無い。
大都会の人間には、今まで通りの煽り文句は通用しないだろうと、接客には誠実さを加えた。大都会の人間は、裏切り裏切られる事が当たり前の様に在る。そこを突いて、「アタシは貴方の味方ですよ」と言う態度を見せてやれば、都会人は靡くと言うイメージの下に、眞智子は売り上げ一位を保持した。
変わり映えの無い毎日に、眞智子は大概苛々していた。煙草の本数も増える一方。
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