勇気の魔法は恋の始まり。
そして相変わらず、放課後の教室では水帆も含めた同級生それぞれが居残って製作に打ち込んでいた。

「あーーーー、疲れたよぉ。」

教室中のクラスメイトの心の声を代弁したのはやはり杏である。

「暑いし疲れたし暑いし、お腹すいたし暑いし眠いし、暑いー!」

「はいはい、暑いね。でもクーラーついてるし、もうちょっと頑張ろうね。」

 集中力が切れたのか「暑い」を連発する杏を水帆があしらう。

「やだー!コーヒー買ってくるー!」

 拗ねてそう言う杏に、「デジャヴデジャヴ」と北斗が笑う。

それを聞いた流星は、

「次はコーンポタージュ以外でお願いしまーす。」

と遠慮なく要望を飛ばす。

杏は軽く流星を睨むと、財布を掴んで教室を出て行った。
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