勇気の魔法は恋の始まり。
そのままリュックをゴソゴソと漁り始めた。

そして少し待つと出てきたのは、

「私のスケッチブック。」

「そうそう、落としたでしょ?格技場のピロティで。」

「ピロティって…」

「思い出してくれた?白石ちゃん覗いてたでしょ、あの時。」

 瞬時にあの日の記憶はフラッシュバックする。

 ああ、そうだ。

 あの時は好奇心に飲まれてはっきり思い出せなかったけど、この人は、

「マジックの…」

「マジックって、せめて魔法って言ってよ。」

 ジャリ。という砂の音で水帆は自分が身を乗り出していることに気づいた。

その様子に祐樹はまた違った意味で苦笑する。
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