チャンスをもう一度

ひと月後に結婚式が決まった。

藤本の両親は、式の一週間前に
イタリアに入国してくれた。
「初めまして、望海です。
  そして、息子の桜雅です。」
「初めまして、
  陽翔の父の誠です。」
 「母の和美です。」
「陽翔が溺愛するのが良くわかったよ。」
「うふふっ、本当に。」
父も母も嬉しそうにいった。

望海は、恥ずかしそうに俺を見るから
「そうだろ。俺の愛する嫁さんだ。
桜雅も可愛いだろ。」
と、言うと
「もぅ、陽翔。
お義父様達があきれるよ。」
「大丈夫だよ。
父さんも母さんも、よくわかってるから。」
と、言うと
そうなんですか?
と、言うような顔で
見る望海に
二人は頷きながら
「あの時、もっと私がきちんと
陽翔と話していたら
二人が傷つくことはなかったと
考えるんだよ。」
と、父・誠が言うと
「昔の事は忘れました。
私は今、とても幸せです。
私の横に陽翔さんがいて、桜雅がいて
陽翔さんのご両親である
お義父様、お義母様がいて
私の両親と凌、凌の両親
そしておじいちゃまがいる。
それだけでとても幸せなんです。

ただ、晶輝ちゃんの事は
私も見守っていきたいと
思っています。」
と、言うと
和美が望海を抱き締め
「ごめんね、ごめんなさいね。
こんな良い娘を苦しめるような
事をして。
それなのに・・・・
陽翔の事を変わらず愛してくれて
ありがとう。」
と、言うと
「いいえ。お義母様にも
嫌な思いをさせてしまいました。
申し訳ありませんでした。」
と、言う望海に
和美は、頭を横にふりながら
「桜雅を生んでくれて
本当にありがとう。
主人も私もとても嬉しかったの。」
「うふふっ、良かった。
そういって頂いて。」
と、会話する二人に
「母さん、そろそろ返して。
望海は、俺のだよ。」
「なっ・・・・」
「いやぁね、心の狭い男は嫌われるわよ。」
「心配はいらないよ。
俺が望海を手離す事はないから。」
「はぁ、はいはい」
と、呆れる和美をよそに
陽翔は、望海を抱き締めて
「父さんと母さんは、
ずっと俺達の事を心配してくれていたんだ。
日本に拘りはないけど
イタリアに行くときも
しっかりやって望海を
連れ戻しなさいと
いってくれたんだ。」
と、言うと
望海は、嬉しそうにしながら
涙を流していた。

陽翔は、望海の目元に唇を寄せて
「望海、愛してる。
  幸せになろうな。」
と、言うと
うん、うんと何度も頷いた。
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