政略結婚ですがとろ甘な新婚生活が始まりました
私の仕事が休みの今日、日用品の買い出しに出かけようと準備をしていたら、突然彼に電話で呼び出された。
『三十分後に迎えを行かせるから、梁川百貨店まで来るように』
一方的にそう言って私の予定も聞かず、彼は通話を終えてしまった。近所への買い物なので適当なメイクにデニム、パーカーといった普段着を身に着けた自分の姿を思い出して溜め息を漏らす。
さすがに策略とはいえ、婚約者が経営している会社に行くのに、この格好はマナー違反だ。失礼にならないように総レース生地のセットアップに着替える。メイクも髪型もやり直しが終わった時、玄関の呼出音が鳴った。
きっちり三十分。迎えに来てくれた彼の秘書のひとりである平井さんが運転する車に乗り、私は彼の待つ場所に向かった。
「こんにちは。お迎えをありがとうございました」
百貨店の入り口まで迎えに来てくれた婚約者に声をかける。
もちろん運転してここまで私を案内してくれた平井さんにもお礼を伝える。今日も彼の装いは完璧で、美麗な顔立ちも変わらない。身体にぴったりとしたチャコールグレーの仕立てのよいスーツを身に着けている。
「……こっちだ」
無愛想にそう言って彼は私の左手をとった。彼の大きな手が私の左手を包みこむ。
当たり前のように繋がれた手にドキドキしてしまう。婚約しているのだから何も不自然なことはないのだけど、緊張してしまうのはなぜだろう。今、隣を歩いている彼は手を繋いでいるせいもあり、とても距離が近い。
前を向いて歩く整った横顔をそっと盗み見る。本当にどの角度から見ても欠点のない顔立ち。綺麗すぎて、一見中性的にさえ見えるのに、その引き締まった身体つきは完璧に男性のものだ。
『三十分後に迎えを行かせるから、梁川百貨店まで来るように』
一方的にそう言って私の予定も聞かず、彼は通話を終えてしまった。近所への買い物なので適当なメイクにデニム、パーカーといった普段着を身に着けた自分の姿を思い出して溜め息を漏らす。
さすがに策略とはいえ、婚約者が経営している会社に行くのに、この格好はマナー違反だ。失礼にならないように総レース生地のセットアップに着替える。メイクも髪型もやり直しが終わった時、玄関の呼出音が鳴った。
きっちり三十分。迎えに来てくれた彼の秘書のひとりである平井さんが運転する車に乗り、私は彼の待つ場所に向かった。
「こんにちは。お迎えをありがとうございました」
百貨店の入り口まで迎えに来てくれた婚約者に声をかける。
もちろん運転してここまで私を案内してくれた平井さんにもお礼を伝える。今日も彼の装いは完璧で、美麗な顔立ちも変わらない。身体にぴったりとしたチャコールグレーの仕立てのよいスーツを身に着けている。
「……こっちだ」
無愛想にそう言って彼は私の左手をとった。彼の大きな手が私の左手を包みこむ。
当たり前のように繋がれた手にドキドキしてしまう。婚約しているのだから何も不自然なことはないのだけど、緊張してしまうのはなぜだろう。今、隣を歩いている彼は手を繋いでいるせいもあり、とても距離が近い。
前を向いて歩く整った横顔をそっと盗み見る。本当にどの角度から見ても欠点のない顔立ち。綺麗すぎて、一見中性的にさえ見えるのに、その引き締まった身体つきは完璧に男性のものだ。