愛の囁き☆私は強くない番外編☆
車の中に長い沈黙が走る。

拓真も香里も言葉が出せないでいた。

長い沈黙を破ったのは、拓真の携帯だった。

♪♪♪♪♪


「あ、ごめん。会社から」

着信が誰なのか、確認した拓真は顔色を変えた。
会社からと言われて、出ないでと言う訳にもいかず、どうぞと無言でうなづいた。

「はい、え?ちょっと熱があって、はい。大丈夫です。え?いや、そんな事は…」

歯切れの悪い話し方に、香里は会社からだとあまり深く聞いてはいけないと思い、意識を外に向けた。

「ふー。ごめん。香里ちゃん」

「大丈夫なんですか?会社」

「あ、うん。そっちは大丈夫なんだ。その事じゃなくて、今した事…」

香里は下を向いた。なんて答えたらいいのか、分からなかった。

「拓真さん。怒ってはないですよ。逆に…」

「何?怒ってないの?」

「嬉しかったです。本音、です」

嬉しかった、のは確か。
突然だったから驚いただけ…

「本当に?」

「はい」

私はうなづいた。

「よかったぁ。嫌われたらどうしようかと思ったよ」

「いえ、そんなっ」

急な事についていける程、私の恋愛スキルが高い訳でもなく…
拓真さんの話す事に、うなづくしか出来ていなかった。
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