一途な騎士はウブな王女を愛したくてたまらない
(え、え、待って。さっきこの分かれ道で、この壺を前に右に進んだはず)
記憶した目印を辿りつつ戻るも、明らかに見ていない景色にまたやってしまったと自分に呆れるメアリ。
フォークはもう明日でもいい。
ひとりでウロウロしているのがユリウスにバレる前に部屋に戻らないととフォーク片手に廊下を彷徨う。
すると、背後から足音が聴こえ、メアリは助けてもらえると意気揚々と振り返った。
「すみません! 私のお部屋、どこだかわかりま……す、か」
声が段々とボリュームを失って、それと比例するようにメアリの表情が青ざめていく。
視線の先にいる人物が、バレたくない人物だったからだ。
「なぜ、部屋から出たのかな?」
微笑んでいるが目が笑っていないユリウスは、腕を組み首を傾げた。
「お、落ちていたフォークを届けようとしたら、見失ってしまって……」
「なるほど。それで特技を発揮して迷子になったのか」
嫌味を含めたユリウスに、メアリは肩を寄せて申し訳なさそうに俯く。