一途な騎士はウブな王女を愛したくてたまらない
「ごちそうさま」
アクアルーナを出てから数日、色々あった為にメアリの胃は小さくなっていた。
せっかく用意してもらった料理もしっかり食べることができず、申し訳ないと思いながらもフォークをテーブルに置く。
ロッテは残った料理を見て心配そうに眉を下げた。
「ごめんなさい。とっても美味しいんだけど、疲れてて」
「そうなのですね。あ、ユリウス様からのご伝言で、今日は部屋でゆっくり休んでくれとのことでしたよ」
片付けますねと続けたロッテは、食器をワゴンへと戻していく。
"部屋"とつけたあたり、ユリウスは部屋から出るなと言っているのだと悟り、メアリは苦笑して頷いた。
テーブルを綺麗にしたロッテが部屋から出て行くと、ひとりになったメアリ。
ふと、テーブルの横に先程使っていたフォークが落ちているのを見つけ、メアリは拾うと急いで廊下に出た。
赤い絨毯が敷かれた廊下の奥、角を曲がるロッテを見つけてメアリは名を呼んだが気づくことなく去ってしまう。
小走りで追いかけ、角を曲がるもすでにロッテの姿はなかった。
(誰かいないかしら)
別の者がいればフォークを預けようと考え、辺りを見渡す。
しかし運悪く使用人の姿はひとりもない。
ならばその先の角を曲がってみようと進み、けれどまた見当たらないのでさらに進み……その結果。
(……部屋、どこだっけ?)
メアリはまんまと迷子になった。