とろけるようなデザートは、今宵も貴方の甘い言葉。
*
お正月ぐらいはゆっくりしてもいいよね、と喬一さんにおばあちゃんから送られてきた蜜柑を剥いて、お互い食べさせてだらだらしていた。
けれど、朝一番に送られてきた年賀状の数に驚愕する。
業者に依頼して結納時の写真を使って作った年賀状の倍、いや三倍は届いている。
私の方の親戚はほぼ数通りだし、同期の皆とは大変だから送らず上司だけにしてるし。
選別し終わって、喬一さんの年賀状を見る。私の分と彼の分は、砂場のお山とエベレストぐらい年賀状の高さの差が酷い。
「あのう、喬一さん」
「初詣、着物で行こうかと思ったけど、着物全部、実家だった。紗矢は?」
「私も着つけが面倒だし、喬一さんがくれたプレゼントつけたいからコートでって、喬一さん! 隣に座ってください」
年賀状をスルーしようとしていたので、炬燵の隣を叩くと、なぜかわざわざ私の後ろから座って抱きしめてきた。
「うちと同じ苗字の年賀状は、一切送っていないので、中身も見なくていいです」
一気にエベレストが、富士山の高さになる。
「で、仕事関係の年賀状も、仕事場から出してるから問題ないよ」
富士山並に残っていた年賀状が、近所の山ぐらいの高さになる。