とろけるようなデザートは、今宵も貴方の甘い言葉。




 
 お正月ぐらいはゆっくりしてもいいよね、と喬一さんにおばあちゃんから送られてきた蜜柑を剥いて、お互い食べさせてだらだらしていた。

 けれど、朝一番に送られてきた年賀状の数に驚愕する。

 業者に依頼して結納時の写真を使って作った年賀状の倍、いや三倍は届いている。

 私の方の親戚はほぼ数通りだし、同期の皆とは大変だから送らず上司だけにしてるし。


 選別し終わって、喬一さんの年賀状を見る。私の分と彼の分は、砂場のお山とエベレストぐらい年賀状の高さの差が酷い。

「あのう、喬一さん」
「初詣、着物で行こうかと思ったけど、着物全部、実家だった。紗矢は?」

「私も着つけが面倒だし、喬一さんがくれたプレゼントつけたいからコートでって、喬一さん! 隣に座ってください」

 年賀状をスルーしようとしていたので、炬燵の隣を叩くと、なぜかわざわざ私の後ろから座って抱きしめてきた。

「うちと同じ苗字の年賀状は、一切送っていないので、中身も見なくていいです」

 一気にエベレストが、富士山の高さになる。

「で、仕事関係の年賀状も、仕事場から出してるから問題ないよ」
 富士山並に残っていた年賀状が、近所の山ぐらいの高さになる。
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