とろけるようなデザートは、今宵も貴方の甘い言葉。

 喬一さんは手馴れた様子で私の着付けを手伝ってくれた。自分は手元にないからとラフな格好で行こうとしてるくせに、私の着物や小物を楽しそうに選んでいる。
 女性の着付けもできるとは、喬一さん、できないことないんじゃないかな。
 色を選ぶセンスはないけど、と苦笑しつつ丁寧に着付けてくれた。

「あの、お野菜段ボール二箱もあるし、喬一さんのご実家に分けましょうか」
「え、あー……俺が全部食べたいけど」
「土のついた野菜とか失礼じゃなければ、ですが」
「全部俺のものって気持ちの方が強いけど……せっかくだし俺が絶賛する紗矢のおばあさまの野菜、持っていこうか」

 若干、会話がかみ合っていないようだったがなんとか収まるところで収まったようだった。
 どうしても野菜は全部使い切りたいようだ。

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