とろけるようなデザートは、今宵も貴方の甘い言葉。
運転したでしょと、上機嫌だ。一体、このお正月休みの間の彼のテンションはどうしたんだ。いや、イチャイチャできて私も嬉しいんだけど、でも何かちょっと変だ。
「喬一くん、紗矢さん」
関係者用の駐車場の奥の門が開く。着物姿で駆け寄ってくるのは、お姉さんの旦那さんの麗一さんだった。先日、うちの父に酔わされ、ほとんど会話ができなかったが、私のことを親し気に呼んでくださった。
「あけましておめでとうございます。先日は酷い醜態をさらしてしまいましたが、お詫びをする前に各地のセミナーに出張してて」
「あけましておめでとうございます。こちらこそ、父が本当に申し訳ありません」
中世的な、色気をまとっている人だ。着物から見える鎖骨のラインも綺麗だし、少し茶色い髪とサラサラの髪に、やや垂れ目がちの目。深い紫色の着物が彼の透き通る肌を印象付けている。お姉さんが豪快で大輪の花が似合うような元気な人に対し、柔らかいイメージの人だ。
「お招きありがとうございます。あのうちの祖母の野菜を持ってきたんですが」
「俺が持っていくよ。そのままキッチンに持っていく」
喬一さんが片手をあげ、すぐに車の後ろへ回る。
「ちょうど先ほど、鰻が届いたんです。寿司にしようと思ったんですがね、色々ありまして」