とろけるようなデザートは、今宵も貴方の甘い言葉。
「仕事の電話みたいで、裏の駐車場の方で話してます」
「お医者さまも大変ねえ。家にはちゃんと帰ってきてる?」
「はい。最近は時間があるようです。あ、お茶、私がします。座っててください」
置いてあった椅子をお姉さんに促して、ポットに水を入れてお湯を沸かす。
お姉さんは少しだけ放心した様子で私を両肘ついてみている。
「喬一は、私の結婚式後、ほとんど家に帰ってこない子になっちゃったのよね。貴方の家とか、一矢くんが一人暮らしはじめたら彼の家とか。最初、弟は一矢くんが好きなのか不安になったのよ」
「ぶっ。お兄ちゃんは、喬一さんを本当の兄のように思ってるんですよ」
「そうよね。でも私が、結婚について弟の夢を壊したんじゃないかなって後悔しちゃったの。はっきり聞いたら、新婚の私たちに遠慮して一人暮らししようと場所を探していただけらしいけど。あの子、良い子よね、腹黒いし不器用だけど」
ポットの湯気を眺めながら、少しだけお姉さんは嬉しそうに微笑んでいる。
お姉さんから見たら、喬一さんは不器用なのかな。私には完璧に見えるのに。
「喬一さんは、お姉さんの結婚式が壊されたことに胸を痛まれてましたよ」
「あー……あれね。でも仕方ないのよ。分家は本家と婚姻関係を結ぶことで安心する部分あるし。私は左京と小さな頃から婚約婚約言われてうんざりして、恋愛結婚したことで、分家は不安になっちゃったみたいでね。今も左京の親は私に難癖つけにきてるの。うざったいたらないわ」