とろけるようなデザートは、今宵も貴方の甘い言葉。
納得できないような顔だったけど、私も深く気にしないようにその場は濁すように笑っておいた。
「もう受付時間は終わってますし、貴方が来たら院長が渡しておいてほしいって言っていたのがあるのよね」
「いえ、本当に私は……」
断ろうと逃げるように後ずさるのに、しっかり腕を掴まれて中に引きずられるようにして入ってしまった。
「こんばんわ」
受付の二人に会釈をすると、深々と頭を下げられた。
クリーム色のワンピースで、仕事着まで可愛い。
「ここで待っていてください」
日色先生が奥に消えてしまったので、患者さん用のソファに座るのも気が引けて、廊下に飾られた絵画を眺める。
この冬に染まる時期に合わせた絵画ばかりで、雪が山を白く染めている絵やクリスマスツリー、サンタクロースの絵まであった。
受付に座っていた最後の患者さんが診察代を払って病院から出ると、値踏みされるような視線を感じた。
「ほら、古舘医師にはやっぱり本命がいらっしゃったのよ。綺麗な人だし」