とろけるようなデザートは、今宵も貴方の甘い言葉。



 やっぱりってどういう意味だろうか。
 そして私に聞こえているのを若干分かってて言っているように聞こえて、少し不快だ。


「えー。だって前の職場から引き抜くほど日色医師を気に入ってるんじゃないの。あの人だって仕事中は古女房気取りじゃない?」
「でも日色先生は年増でしょ」

 ひ。年増?
 喬一さんより数歳年上ってだけでまだアラサーだし、あんなに綺麗な人なのに。
 いや、周りがそんな反応だから本命だと言えず、私でカモフラージュ?

「南城さん、こちら。渡すように頼まれていたものです」
「ありがとうございます」

 なんだろううと、渡された紙袋に視線を移したら、受付からひそひそと声が聞こえてくる。
「今カノと元カノ対決」
「ちょっと、聞こえるって」

私が視線を向けると、急に微笑んで取り繕っている。
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