王様生徒会長と最弱ヒーロー

青柳くんに勇気を貰ったのに
私は今も尚、悩んでいた。
本当に私が話してしまっても
いいのだろうか。

不安だったけど、辞める訳にはいかない。
伝えたい...言葉があるから。

葉瑠「夏目くん。いいかな?」

壮吾「ああ。」

葉瑠「夏目くんは
確かに沢山の物を持ってる。
頭もいいしスポーツも出来る。
将来にだって困らない。
夏目くんの目の前にはいつだって
道がある。平坦な真っ直ぐ道。
...でも、持っていない物も沢山あるよ。
あなたの目の前に当たり前のようにある
明かりの灯った家。将来、自分は
何になろうかと考える事。可能性を
模索して色んな事に挑戦する事。
悩む事も迷う事も許されない。
...だから、夏目くんは捨てたんだ。
自らの手で温かい家も将来の安定も
お父さんの言いなりになる事も全部。」

幸夫「夏目くんが捨てた?」
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