Jelly
「ごめんね、神長」
「は?」
 変な顔をして俺を見たけど、しばらくして何に対してのごめんだったのか合点がいったらしい。

「俺も神長みたいに、もっと色んなことに気を回せるようになりたい、っていうか、なるよ。だから、独立するときは絶対に俺のこと誘ってね」

「独立ねえ」
 神長は言いながら、伝票を持って席を立った。

「だって、いつかするでしょ? お前なら。……俺も頑張らなきゃ」

 お茶で全部を飲み下してから、椅子を立ってグーを作る。神長の拳がぶつかる。やるべきことがはっきり分かると、覚悟は決まった。
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