あなただけが好きだから
「おー、優人は佐倉ちゃんとか」
「おいで怜ちゃん、良いとこ知ってるんだ」
「へ!? 私は咲とぉおおおー!」
そんな私の叫びも届かずに教室を出る事となった。
咲はニコニコしながら手を振っていたし。
「裏切り者ーーー!」
本条先輩に連られてやって来たのは裏庭だった。
周りにも誰もいないし、落ち着けそうな場所だった。
「俺と食べるの嫌だった?」
「い、いえ、そういうわけでは」
「よかった。無理矢理連れて来ちゃったから」
「で、でもなんで私と?」
「ん? 面白そうだから」