あなただけが好きだから
「体育祭やだなぁ」
「んなこと言うな、あいつら頑張ってんだろ」
「暑い……」
「体育祭じゃなくて夏が嫌なんだろ……」
むぅ、と膨れる怜を思わず撫でたくなる。
手を出しかけたが我慢する。
「まぁ、二人のために頑張ろうかな!」
「倒れんなよ」
「大丈夫! なんか蓮今日は優しいね、最近口数少ないのに」
「あぁ……」
本条先輩がムカついた。
なんてガキ臭い理由なんか言えるか!
でも、それで……。
「結構悲しかったよ?」
「悪い」