総長さんが甘やかしてくる②(※イラストあり)


「ぜってー飛び降りんなよ」

「巻き込まれたくない?」

「ちげぇわ。殺してたまるかよ。こうなったら継続的に思わせねーとな。人生捨てたもんじゃねぇって。……自分ですら半分も楽しめてねーのに。どうやって教えりゃいい? ほんと面倒くさい性格してやがるなテメェ」


どの口が言うんだよ。

キミの方こそ。


相当めんどくさいよ。

めんどくさくて、仕方ないよ。


「……束縛系ツンデレカレシ」

「ああ!?」


束縛してるのは、どっちなんだろう。


【ここ、オレ専用にしてあげるよ】


「あれ、割と本気なんだけどな」

「ん?」

「ここがオレの席ってやつ」

「仕方ねーな。してやるか」

「!」

「その代わり運転に文句つけんなよ」

「つけるよ」

「つけるのかよ!」


押しに弱いよね、キミって。

そうやってどんどん

オレに流されていいの?


本当に後悔しないの?


「あいつの後ろ。ユウのものになっちまったな」


わかった風に言われるのムカつくなあ。

まあ、その通り……なんだけど。


「でもな。前も楽しいぞ?」

「ボク、運転できないし」

「普通に乗れてるだろ。むしろ乗り回してるだろ。まあ、燐の体格じゃ18ンなっても大型はしんどいか」

「免許ないし」

「……なんつった」

「前見て、愁」


今、ぜったいに

振り返らないで――。


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