総長さんが甘やかしてくる②(※イラストあり)
メディアでの報道の中には、
“少女”でなく“美少女”とされているものもある。
“美”は、つけないで欲しい……。
「多くは、“失踪”より“少女”の方に興味津々なわけ。言ってしまえばアイドル扱いされちゃってるんだよ、キミ」
「なんで……」
「ユウちゃんのその、素朴でいて魅惑的な雰囲気ってなかなか出せないよね」
燐さんみたいな美しい人から魅惑的なんて言葉をもらうのは恐縮すぎる。
「事件に便乗して私利私欲のためにユウちゃんのこと調べてる質の悪い連中がいるはずだよ」
「……タチの悪い、連中?」
「たとえばこれ。どこの誰がなんの目的で立ち上げたかサッパリ不明のサイト。“救う”なんて聞こえはいいけど、それを信じて情報提供したところで何に使われるかわかったもんじゃない。警察より先にキミを探し出すのは案外この手の人たちだったりしてね。果たして正義のヒーローか。それとも」
燐さんはそれ以上なにも言わずに含み笑いをする。
知らない人が、わたしのことを探している。
それは不思議であり奇妙だ。
これも全て、わたしの行動が招いた事態――。