総長さんが甘やかしてくる②(※イラストあり)


「今ボクはその男のコメカミに拳銃をつきつけてる状態。いつでも引き金を引けるんだ」

「……穏やかな話じゃねーな」


愁さんが、眉をひそめる。


「自殺行為ともなる行動には出ないよ。そんな覚悟もない小物さ。でも見た目はブタみたいだったなあ」

「ぜってえ友達じゃねーだろ」

「おともだちだよー?」

「……“なんの”友達なんだか」


愁さんの言葉で、あのとき抱いた違和感を思い出す。


燐さんは、あのオジサンのこと

一瞬だけすごく軽蔑した目で見ていた。


燐さんから耳打ちされたオジサンは

戦意を喪失していった。


仲良くなる雰囲気なんて、そこにはなかった。

なのにどうして友達になったのだろうって、わたしは不思議でしかなかった。


けれど、今なら、わかるかもしれない。


(“使いどころ”が、あったから……?)


< 20 / 271 >

この作品をシェア

pagetop