総長さんが甘やかしてくる②(※イラストあり)
「今ボクはその男のコメカミに拳銃をつきつけてる状態。いつでも引き金を引けるんだ」
「……穏やかな話じゃねーな」
愁さんが、眉をひそめる。
「自殺行為ともなる行動には出ないよ。そんな覚悟もない小物さ。でも見た目はブタみたいだったなあ」
「ぜってえ友達じゃねーだろ」
「おともだちだよー?」
「……“なんの”友達なんだか」
愁さんの言葉で、あのとき抱いた違和感を思い出す。
燐さんは、あのオジサンのこと
一瞬だけすごく軽蔑した目で見ていた。
燐さんから耳打ちされたオジサンは
戦意を喪失していった。
仲良くなる雰囲気なんて、そこにはなかった。
なのにどうして友達になったのだろうって、わたしは不思議でしかなかった。
けれど、今なら、わかるかもしれない。
(“使いどころ”が、あったから……?)