総長さんが甘やかしてくる②(※イラストあり)
首元に、柔らかいものが――。
「美味しい」
「……!!? なにしやがる」
「いいじゃん。唇じゃないし」
バランスを崩し、布団の上に倒れ込む。
「そういう問題じゃ……くっ、くすぐってぇ」
たとえるならペットとじゃれ合う、飼い主の図。
「あー、噛みついてやりたい」
ただしそのペット、凶暴につき。
「噛みちぎられそうだな」
「ちぎらないよ。吸い付こうかな。鉄分足りてないんだよね」
「どこに生き血から鉄分チャージする人間いんだよ」
「オレ、ニンゲンじゃないから」
ある意味バケモノなのは否定しない。
それでもお前は、
「人間だろ」
「うーん。美しいヴァンパイア一族の末裔かも」
「中二病か。にんにくと十字架で成敗する」
「どっちもすきー」
「黙ってレバーとほうれん草食っとけ。……やっぱり俺に嫌がらせしたいだけなんじゃ?」
「あは。そうかもしれない」
こんなイラつくガキに懐かれ
まんざらでもない自分に
今すぐ全力でグーパンしてやりてぇ。
……マジで。