総長さんが甘やかしてくる②(※イラストあり)
「や……るかボケ」
「全然嫌そうじゃないのが、笑える」
「はあ?」
「やーめた。嫌そうにしてくれないと、気分が乗らない」
「……歪んでる」
「ガッカリした?」
「するかよ」
「やっぱり寝込みを襲うのが一番かな」
「有無を言わさずワザかけるわ」
こんな綺麗な顔したやつが
こんな、波乱万丈なやつが
俺にキスしたいなんて言ってくるなんて
人生なにが起こるかわからねーし。
こいつになら
俺の人生ちょっとくらい狂わされても
いいかもしれねーな、なんて
ほんの僅かながらに考えてしまったことは
……口が裂けても言えねーだろ。さすがに。
(だけど、)
やっぱり俺の家から
勝手にいなくなったりはするなと思ってしまう。
幸せに生きて欲しい。
燐の幸せに、関わりたい。
めちゃくちゃなクソガキから目が離せない。
この気持ちに果たして
……名前があるのだろうか。
「ごちそうさまでした」
「完食してんじゃねーか」
「デザートは?」
「あ? デザートなら、冷凍庫に幻のために買っておいてやったパピコが――」
「こっちがいい」