【最愛婚シリーズ】クールな御曹司の過剰な求愛
「では、さっそくお着替えを。さぁどうぞ」
丁寧な態度だし、にこやかに笑っているがその笑顔の裏に有無も言わせない何かを感じてしまい、わたしは促されるままワンピースを手にとって更衣室へと向かった。
おそらくドレスの試着にも使われるのだろう。デパートなどの更衣室とは違い、カーテンはベルベットの深いグリーンで、中は全面鏡張りになっていた。ふかふかの絨毯の上で、ぬれた洋服を脱いで渡されたワンピースに袖を通す。
わぁ……素敵。
さっきまで必死になって固辞していたのに、身につけた途端その素晴らしさに胸が高鳴る。
我ながらゲンキン……。でも本当に素敵だな。そういえばウエディングドレスも素敵だった。
いつか自分が結婚するときにも……なんて想像し始めた途端、カーテンの向こうから声がかかった。
「尾関さま、いかがでしょうか?」
「あ、はい!」
鏡を見るとあまりにもニヤニヤしていた。その顔を引き締めて、カーテンの外に出る。
なんだか気恥ずかしいのは、神永さんの視線がじっとわたしに向けられているからだ。
いたたまれないような気持ちになったとき、彼がにっこりと笑った。
「よくお似合いです。よかった、やっぱりあなたにはこの色がぴったりだ」
吸い込まれそうな魅力的な笑顔を向けられて、一気に頬に熱が集まる。