【最愛婚シリーズ】クールな御曹司の過剰な求愛
「じゃあ、どうして?」

なかなか理由を言わないわたしに、神永さんはじれったそうにしている。

「それは、だって……神永さん、彼女いるじゃないですかっ!?」

思わず問い詰めるような口調になってしまった。でもそれがわたしの気持ちなのだ。

「彼女ってどういうこと?」

もしかして、わたしに黙っているつもりなのだろうか……と一瞬思ったけれど、彼はそこまでひどい人ではないと思う。それに表情を見れば、本当にわからないようだ。

「誰のことを言っているの? 教えて」

またひとり考え込んでいたわたしに、彼が優しく先を促してくれた。

そうだここで黙り込んでしまっては、結局何も解決しない。

「ドレスの……デザイナーさんです。神永さんと打ち合わせしているところを見ました」

「仕事相手だからね、打ち合わせくらいする。それがどうして〝彼女〟ってことになるわけ?」

「だって、すごく仲が良さそうで、親密だったし。それに坂上さんが『特別な関係』って言っていたから」

それを聞いた神永さんが「あ~」と額に手を充てて、天を仰いだ。

それって、どういう態度。認めるってことなの?

不安になって何も聞けないまま、彼の様子を窺う。

しばらくそうしていた彼だったけれど、急に声を出して笑い始めた。
< 121 / 138 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop