【最愛婚シリーズ】クールな御曹司の過剰な求愛
「わたしの部屋ですか?」
「うん。もともとそのつもりだったし、ホテルよりも俺の部屋よりも早くふたりっきりになれるのが、君の部屋だから」
そう言われて、深く考えずに「はい」と答えた。
完全無欠の大人のキスは、わたしからすっかり考えるということを奪って、言われるがままに彼を部屋にあげてしまっていた。
そして今更後悔する。
特段ちらかっているわけではない。
けれど読みかけの雑誌や、シンクに残った朝使ったマグカップなんか見られたくなった。
掃除機だってかけたかったし、クッションカバーとかももっとかわいいものにしたかった。
もう、遅いけれど。
キッチンでコーヒーを淹れながら、肩を落とす。
はじめてこの部屋に男の人……彼氏を入れた。わたしにとっては一大イベントなのに。
神永さんと言うと、リビング件寝室に置いてある、ふたりがけのローソファに座って、水族館で買ってくれたペンギンを手に持っていた。
イケメンとペンギンのぬいぐるみって、なかなかシュールかも。
そんなことを考えて、ひとりでに奴いているとコーヒーメーカーがピピピッと音を立てた。