【最愛婚シリーズ】クールな御曹司の過剰な求愛
出来上がったコーヒーをとっておきのカップに注いで、神永さんのところへ持っていく。

「いいにおいだ。ありがとう」

彼はひとくち飲むと「おいしい」と言ってくれ、ソーサーに戻した。

「ところで、これ書いてもらえる?」

神永さんは脱いでソファの背にかけてあったスーツの内ポケットから、一枚の紙を取り出した。

「結婚式の……申込書?」

「そう。俺と君の」

「そうですか、え? わた、わたし?」

自分を指さすわたしに向かって、神永さんは「あたりまえだろう」と笑っている。

「冗談……ですよね?」

「いや、さっきも言ったけど結婚を前提につき合いたいと思ってる。それくらい真剣なんだ。だからここ見てくれる?」

彼が指さしたのは、申込書にある日付の欄だ。

そこには一年後の日付が書かれている。

「すぐに結婚だなんていうと、びっくりすると思う。だから一年真剣に俺と向き合ってみて、それでも結婚してもいいと思えるなら、印鑑を押して。それまでは君が預かってくれればいいから」

わたしの気持ちを考えてくれて、こういう結論を出してくれたのだ。彼の思いの深さに胸が震えた。
< 126 / 138 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop