【最愛婚シリーズ】クールな御曹司の過剰な求愛
神永興産株式会社御曹司、ケイウエディング社長、神永貴哉 三十六歳か……。

 ひとり掛けのソファに座り、手を組んでインタビューを受けている姿は凛々しく、俳優かと見紛うほどだ。

 旧帝大のひとつを卒業後、アメリカに留学。帰国後、神永興産の一部事業であった傾斜ぎみのウエディング部門を独立させ、見事業績を回復させたと記事には書いてある。

「なんか、すごい人なんだ」

 社長だということはわかっていたけれど、それにしても想像していたレベルのはるか上の人だ。

 ゴロンと上を向くと、カーテンレールにかけてあったワンピースに目が行く。

 神永さんが選んでくれたドレス……本当に素敵だな。彼とのやりとりを思い出していると、ふと掴まれた腕に彼の手の感触がよみがえってくるようだった。

「な、なに、もうっ」

 なんだか胸がフワフワする。それと同時に彼がクスクス笑う姿が思い浮かんできて、思わずベッドの上を右へ左へとゴロゴロした。

 仕事でたくさんの人に会っているし、男性に免疫がないわけでもない。なのにどうして神永さんのことを考えるとこんなふうに、落ち着きがなくなってしまうんだろう。

 考えても答えがでず……結局彼がイケメンすぎるのが悪い!というよくわからない半ば八つ当たりのような結論を出して自分を納得させたのだ。


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