【最愛婚シリーズ】クールな御曹司の過剰な求愛
「ご丁寧にありがとうございます。では、失礼します」

「お気をつけて、お帰りくださいね」

結局神永さんは式場の出口で、わたしがタクシーに乗り込むまで見送ってくれた。自宅について支払いをしようとすると、支払いは必要ないと言われた。

ひとり暮らしの1LDKのマンションに帰り、皺にならないように早速借りて帰ったワンピースを脱いでハンガーにかける。それをカーテンレールにひっかけると、そのままベッドにダイブした。

「はぁ~疲れた」

SNSの通知音が聞こえてきたので、バッグからスマートフォンを取り出し確認する。今日撮った写真がグループ内のみんなから送られてきていた。

「そのままハネムーンって言ってたから、そろそろ空港に向かうころかな」

花嫁と一緒に取った写真を眺めて、幸せそうだったなぁ、と思いをはせる。スクロールしていくと、写真の隅に神永さんが映りこんでいるのが見えた。

 あぁ、こう見てもやっぱりかっこいいな。

 そこでふとドレスを貸してもらうときに『どこかで見たことがある』と感じたのを思い出した。

 頭の中の引き出しを次々開けていくと、ピン!とひらめいた。

 ベッドから起き上がり、マガジンラックから一冊の経済誌を取り出す。パラパラとめくって目当ての記事を探しながら、またベッドに戻った。

 たしかこの辺りだったと思うんだけど。

「あった! やっぱり。この雑誌に載っていた」

 どーんと一面神永さんの写真が掲載されている。その見出しは経済界の新星!と書いてある。
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