【最愛婚シリーズ】クールな御曹司の過剰な求愛
頭を下げたコンシェルジュに、わたしもお礼を告げた。
よかった……ひとりだったら、絶対ここまで運べていなかったかも。
コンシェルジュを見送って、すぐに寝室に戻る。ドアのところから中の様子を窺うと寝返りを打った神永さんと目が合った。呼吸がすごくつらそうだ。
「わたし必要なモノ買ってきますから、休んでいてください」
「いや、もう大丈夫っ……ごほっ、ほごっ」
こんな状態でどう大丈夫だと言うのだろうか。
「全然大丈夫そうじゃないです。鍵を預かってもいいですか?」
「ジャケットのポケットにある」
どうやらわたしの看病を受け入れてくれるつもりらしい。
「迷惑かけてすまない」
苦しそうな彼にわたしは元気づけるように笑顔を見せた。
「困ったときはお互い様です。それに〝病めるときも、健やかなる時も〟って誓った仲じゃないですか、わたし達」
肩をすくめたわたしに、神永さんは口角をほんの少し上げて笑ってくれた。
わたしはそっと寝室の扉を閉めて、彼のジャケットから鍵を預かると買い出しに出た。