家庭訪問は恋の始まり
瀬崎さんと付き合って、もし結婚ってなったら、私は、嘉人くんのお母さんになるの?

私、大丈夫?


「あの… ごめんなさい。」

「え!?」

瀬崎さんが切なそうな目をする。

「あ、いえ、
その『ごめんなさい』じゃなくて。」

「は?」

「あの、とりあえず、今は空席です。
ただ、いろんなしがらみもあって、春に
なっても、瀬崎さんに座っていただけるとは
限らないというか、春までにゆっくり
考えたいな…と思って。」

私がそう言うと、瀬崎さんはほっとしたような笑みを浮かべる。

「ありがとう。
よかった。」

「え?」

今度は私が聞き返す番だった。

なんで、ありがとう?

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