家庭訪問は恋の始まり
「学年主任さんとは、こんな事しちゃダメ
だよ。」

そう言われて、私は、こくこくと頷いた。

するわけ、ないでしょ!?


「ねぇ、夕凪。」

瀬崎さんが私の隣に腰掛けて私の手を握って言う。

「何?」

「予約していいかな?」

予約?

「何を?」

「夕凪の恋人の席。」

「え!?」

「今、付き合えない事は、分かってるけど、
その間に他の奴に夕凪を取られたくないんだ。
春まで、予約席って事じゃ、ダメかな?」

それって、春になったら、付き合うって事だよね?

瀬崎さんの事は、嫌いじゃない。

っていうか、むしろ好き…だと思う。

でも、嘉人くんのお父さんだよ?

保護者だよ?

絶対、あれこれ言われるよね?

何より、私だっていつかは結婚したい。

春には私も28歳。

次に付き合う人は、きっと生涯を共にする人。

< 116 / 507 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop