家庭訪問は恋の始まり
「すみません。
大丈夫ですから。」

私はやんわりと武先生を断って自分で歩こうとするけど、まるでケーキの上を歩いているように、地面がふわふわする。

「心配ですから、これくらいさせてください。」

武先生は、しっかりと私の肩を抱いた。

申し訳ない。

武先生には、ちゃんと想う人がいるのに。

私たちは、後部座席に乗り込んで、私のアパートに向かう。

武先生は、車を降りて、私の部屋まで連れてきてくれた。

「本当にありがとうございました。」

私が玄関でお礼を言うと、

「じゃあ、お礼に、明日付き合ってください。」

と言われた。

ん? どういう事?

「俺の誕生日デートです。
いいですよね?」

は!? 武先生、好きな人は?

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