家庭訪問は恋の始まり
それからしばらくした週末、クリスマス直前の日曜日。

瀬崎さんが私の家にやってきた。

「こんにちは。」

そう言って玄関に現れた瀬崎さんは、いつものスーパーの袋じゃなくて、大きな紙袋を提げていた。

「あれ? どうしたんですか?」

不思議に思って聞くと、

「ちょっと早いけど、夕凪とクリスマス
パーティーしようと思って。」

と紙袋を広げて見せた。

中には、たくさんのお料理。

「これ、どうしたんですか?」

「うちの店でテイクアウト用に作らせたもの
だよ。
さすがに1人で全部作るのは無理だからね。」

と瀬崎さんは笑う。

えっ!?
Accueil(アクィーユ)のお料理!?
一体、いくらかかってるの!?

「こんなにたくさん、いいの?」

「もちろん。
と言っても、品数が多いだけで、量は2人分
だから、そんなに多くはないんだ。」

それでも、フレンチレストランのお料理だもん。

安いはずがない。

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