家庭訪問は恋の始まり
瀬崎さんは、おいしそうなお料理をテーブルの上に所狭しと並べ、最後にお酒だと思われるボトルを取り出した。

「今日は特別。
とっておきのシャンパンを持ってきたよ。」

シャンパン!?

「瀬崎さん、帰りはどうするの?」

お酒を飲んだら、運転できないでしょ?

「泊まろうかな?」

「え!?」

瀬崎さんは私に艶っぽい視線を向ける。

それって…
どうしよう!?
どう答えればいいの?

うろたえる私を見て、瀬崎さんは吹き出した。

「くくっ
冗談だよ。
今日は、夕凪と飲みたくて、タクシーで
来たんだ。
帰りもタクシーを呼ぶから大丈夫だよ。」

ほっ…
焦ったぁ。
クリスマスだし、本気かと思った。

「くくっ
夕凪、そんなあからさまにほっとするなよ。
俺が傷つくだろ?」

「あ、いえ、そんなつもりじゃ… 」

私が慌てて取り繕おうとすると、

「ま、夕凪のそういうところも
かわいいんだけど。」

と、頭をポンポンと撫でられた。

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