家庭訪問は恋の始まり
「ええ!?
そんな事、しません!」

私が口を尖らせると、

「くくっ
それは楽しみ。
夕凪と酒を飲むのは初めてだもんな。」

そうか。
いつも瀬崎さんとは、食事しかしてなかったんだ。

「ふふっ
私も楽しみ。
瀬崎さんは、お酒強いの?」

「まあ、それなりには。
夕凪は?」

「んー、弱くはないと思うけど、ざるって
言う程、強くはないかな。」

「ああ! そういえば、夏頃、俺が電話したら、
ご機嫌で酔っ払ってた事があったな。」

「えっ!? 嘘!?」

そんな事、あった?

「嘘じゃないよ。
ほら、学年主任さんとデートの約束してきた
日。」

武先生とデート?

「ああ!! あの映画の?」

「そうそう。
あの時、電話越しの夕凪がかわいくて。
そのまま、電話を切って会いに行きたいと
思ったよ。」

瀬崎さんは、微笑んで言う。

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