家庭訪問は恋の始まり
「くくっ
ありがとう。」

瀬崎さんは、なぜかクスクス笑ってる。

「瀬崎さん?」

「夕凪、気付いてる?」

「何?」

「夕凪、今、俺のプロポーズにOKの返事を
くれたんだよね?」

「えっ!?」

私、そんなつもりは…

「俺が東京について来て欲しいって言ったら、
東京の採用試験を受けるって。
それって、俺と一緒になってくれるって事
でしょ?」

「あ… 」

どうしよう!?
担任する児童の保護者と恋人になるのもダメだけど、婚約者はもっとダメだよね。

「ま、でも、夕凪の立場もあるし?
今のは聞かなかった事にするよ。
でも、嬉しかった。ありがとう、夕凪。」

返事に困った私は、また所在なくシャンパンを飲んでごまかす。


だけど、そのせいで限度を超えたんだと思う。

気付けば、私はベッドで寝ていて、辺りは真っ暗だった。

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